市民版地域福祉計画

生活クラブ運動グループ江戸川地域協議会

 江戸川・市民版地域福祉計画   

1. コンセプト

 誰もが自分らしく安心して暮らせるまちを目指して、私たち江戸川地域協議会では「市民版地域福祉計画」をまとめました。

地域の中で安心して暮らし続けるためには、これから、なにが必要で、どんなものがあったらよいのか、議論を重ねました。

少子高齢化や格差の拡大、一人親家庭の増加や貧困の連鎖などの問題を抱える現代において、孤立した子育て中のお母さんや老老介護のお年寄り、障害や生きにくさを抱えている人、マイノリティなど、様々な困難に直面している人がいます。

誰もが安心して地域に生活し、働き、子を産み育て、親を看取り、年を重ねていける地域にするためには、個々の違いを認め、互いを尊重し、理解しようと努め、人とのつながりの中で共に生きていける社会にしていくことが問題解決につながると考え、足りない必要なしくみを話し合ってきました。これまでに作り出してきた、さまざまな活動や事業、ネットワークを生かして、私たちが描く、「市民版地域福祉計画」を進めます。

2. 策定の経緯

 23区南生活クラブ生協では、第6次長期計画(2015年度~19年度)の中で、地域福祉に関し、各運動グループとの連携のもと、地域における安心ネットワーク構想構築のため「市民版地域福祉計画」策定を推進してきています。

今日求められる「地域包括ケアシステム」を、高齢者福祉中心に描く行政に対し、私たちが大事にするのはソーシャルインクル―ジョンの視点です。誰もが自分らしく安心して暮らし続けられるよう、当事者のニーズを受け止め、双方向の関係性を大切にしたコミュニティケアシステムの構築を目指す。そのために、地域の課題を洗い出し、あるべき未来を描き、地域に必要なしくみ(事業)がないならば、市民自らがそれを生み出す。そして「市民版地域福祉計画」をつくり、福祉のまちづくりを着実に進めていく―。これは、縦割り福祉を超えて多様な人々が共に生きるインクルーシブな地域社会づくりにつながります。

以前は、江戸川地域協議会も長期計画を持っていましたが、その後豊かな地域づくりのための具体の描きや計画を持たないまま、日々の活動・事業に追われてきました。私たちの生活をとりまく社会環境が大きく変化を見せる今、江戸川地域協議会では、2015年9月の23区南総代学習会での学びを契機に、江戸川区における「市民版地域福祉計画」の策定をめざし、以下の取り組みを実施、17年5月、策定に至りました。

 

 年月 行程
2015年9月 23区南総代学習会「市民版地域福祉計画をつくろう」に江戸川地域協議会メンバー参加
2016年5月~7月 地域協議会で「市民版地域福祉計画」についての学習
2016年8月~9月 「市民版地域福祉計画」策定に向けたアンケート活動

生活クラブ組合員に対しては、キャラバンを通して、市民に対しては、各団体のネットワークを通じてアンケートを実施。回収24通。

2016年10月 「市民版地域福祉計画」策定に向けたワークショップ開催

組合員、市民に広く呼びかけ、総代学習会で学習した手法を取り入れ、10のテーマ別地域の課題・解決策についてワークショップを行った。参加者12名。

2016年11月~12月 アンケート及びワークショップのまとめ
2017年1月~4月 「市民版地域福祉計画」策定に向けた作業

子ども・高齢者・障害者をテーマに、具体の活動、事業を抽出。

実施時期、人材、場所、資金などのイメージを整理。

2017年5月 「市民版地域福祉計画」策定

 

3. 江戸川区における地域福祉の現状と課題

 【高齢者・障害者福祉】

2016年10月の統計で、日本の高齢者人口は3,392万人、高齢化率が26.7%、江戸川区は、2015年度の状況で高齢者人口13万9,066人、高齢化率20.4%となっています。今後も早いスピードで高齢者人口が増加し、国では2050年に3人に1人が65歳以上になることが推計されています。一方で、少子化の進行はもとより、地域社会の機能や世帯構造が大きく変化する中にあって、高齢者福祉のあり方が大きな課題となっています。

現在、高齢者に対するホームヘルプサービスや福祉施設利用など、具体的なサービスの多くは介護保険制度のもとで実施されています。介護保険制度は、市区町村が保険者となり運営されており、区民生活への定着がすすみ、利用者数もますます増えています。

一方で、ひとり暮らし、認知症高齢者の増加への対応など、さまざまな課題も山積みです。こうした課題への対応として、予防を重視する地域支援事業や認知症SOSなどの取り組みがすすめられてきました。

一方で、2009年に開設した居宅介護支援事業所が、2015年、人材不足により撤退を余儀なくされました。高齢社会を支える重要なしくみであり、運動グループとして再度、居宅介護支援事業への参入を視野に入れ、総合的な高齢者福祉に向け取り組みをすすめます。

また、障害者については、「障害者総合支援法」や「障害者差別解消法」などのもと、区では「障害福祉計画」に基づき、障害者の就労支援や障害者(児)の地域での生活を支援する ための相談やショートステイなどができる拠点の整備をしています。手帳保持者は身体障害者19,627人(前年比+38人)、知的障害者4,177人(+168人)、また自立支援医療を受けている精神障害者は8,373人(+256人)と増加傾向が続いています。障害者の相談支援も始まりました。障害者には個々に違う対応が必要ですが、専門性が求められるにもかかわらず支援の方法に温度差があることもあります。現場のヘルパーにもリスクマネジメントが必要とされることもあり、人材育成が必要です。

高齢者においても障害者においても介護に携わる人手不足は共通の課題です。これからは、重度な介護状態になっても、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを最期まで続けることができるよう、行政サービスだけではなく地域におけるたすけあいの仕組みづくりが急がれます。ワークショップでは、認知症の増加、1人暮らしの不安、移動の困難さなどがあげられ、お休みどころなどの誰でもいられる居場所づくりの必要性が話し合われました。

生活クラブ運動グループ江戸川地域協議会では、1996年に「たすけあいワーカーズもも」を立ち上げた当時から、在宅での暮らしを重視した地域福祉の考え方で地域づくりをめざし活動してきました。2004年には、「ほっとコミュニティえどがわ」が、いつまでも自分らしく最期まで暮らし続けることができる共同の住まい「ほっと館」を開設しました。

今後も、地域で子ども、障害者、高齢者が集える場や当事者の相談に応じ、福祉車両による移動支援など、市民力・地域力を生かし、必要なサービスや機能づくりをめざします。

【子ども・子育て支援】

江戸川区の15歳未満の年少人口は約95,000人、23区では世田谷区に次いで多い状況です。高層住宅が立ち並びそこに暮らす若い世帯も増えている現在、周囲となかなか会話ができず、ひとりで子育てに悩む母親も増えています。今の母親自身が大家族で暮らした経験も少なく、初めての子育てに不安がいっぱいです。

区として、子育てひろば、訪問による産前・産後のケアや保育、障児の移動支援、養育支援や働く親支援として保育施設の拡充や放課後の預かりなど子育て支援策の充実を図ってきました。しかし、子育ての悩みをどこにも打ち明けることができない親には「わからない・助けてほしい」と言えること、一時保育を利用して自分のために過ごすのもリフレッシュできることが大事です。これらの課題に対してまだまだ支援が必要だと感じます。

また区では、子どもたち自身への支援として「共育プラザ」における児童・生徒への学習支援に加えて、誰でも受け入れる居心地のよい場の提供がすすめられています。

こうした行政の取り組みと共に、私たちも地域のニーズを受け止め、新たな取り組みをすすめてきました。「もも」では、2014年に新規事業として「まちカフェひろば」を立ち上げ、16年には、地域協議会では実行委員会形式で「えどがわあったか子ども食堂」をスタートさせました。ワークショップで出された、子どもの貧困、待機児童、希薄な近所づきあいなどの悩みを解決するために、親子ひろばなどの居場所をつくること、また、家庭の状況によらず、多様性を認めあい、誰もが希望をもてるようにするために、地域で相談できる仕組みをつくる必要があります。

4. 今後実現させていくこと  目標年:2017年~2020年

2017年 子ども食堂南エリアに開設
  えどがわあったか子ども食堂での学習支援
2018年 移送サービス事業
  居宅介護支援事業
  障害者計画相談支援事業
2019年以降 親子ひろば事業(区内北エリア)
  だれでも(ほっこり)カフェ

≪地域協議会構成団体 事業と活動≫   

23区南生活クラブ生協まち江戸川 食・エネルギー・福祉を自給、循環させる持続可能な人の輪を広げる
江戸川・生活者ネットワーク 代理人運動を通し、政治への直接参加を拡げ、政治を人任せにしない市民を増やす
江戸川たすけあいワーカーズもも 住み慣れた家で、自分らしく暮らし続けるための家事援助・介護・子育て支援を行う

地域の方の居場所として親子ひろばとカフェの運営

ほっとコミュニティえどがわ 高齢者の新しい暮らし方、グループハウスの運営

地域とつながるコミュニティレストランの運営

えどがわあったか子ども食堂 地域の子どもたちへのランチの提供を通し、子育て・子育ちの支援
エコメッセ江戸川元気力発電所

江戸川店 ・ 平井店

寄付品によりリユースショップを運営

売上の一部で地域に太陽光パネルなどを設置