地域の取り組み紹介 板橋

「板橋区・市民版地域福祉計画」

〜あったらいいね!こんな場所 あったらいいね!こんなこと〜 

  1. はじめに 

1992年前後から「地域福祉」という言葉を生活クラブが意識的に使い始め、同年にアビリティクラブたすけあい(ACT)を設立した。たすけあいワーカーズ2団体(世田谷・ゆりの木/練馬・ふろしき)も立ち上げられ活動をスタートした。

1994年10月に生活クラブ生協・東京理事会が「地域福祉に関する今後の取組み指針」という冊子を発行。地域福祉の今後の取組みを各自治体で進めていくための指針としてまとめ、各ブロック・支部で積極的に討議をするよう提起している。この「地域福祉に関する今後の取組み指針」の中で『地域福祉のモデルとなる自治体政策をつくり、実行方針を立てて取り組むとし、さらに、生活クラブ運動グループの連携を自治体の中で強化し、地域ビジョンをもとにモデル形成を図る。地域福祉計画(各自治体でまとめられた)に市民参画の視点を持って実行計画に反映させていく』とあり「市民版地域福祉計画」作成についての含みを持った提案をしている。

1997年8月には、「地域福祉推進三カ年方針」(1997年~1999年)ノーマライゼーションの発想で地域社会を描く!という冊子を生活クラブ生協・東京が発行し、理事会として地域福祉推進方針をまとめている。

2015年に、生活クラブ生協・東京の生活クラブ運動グループで構成をする「生活クラブ運動グループ・インクルーシブ事業連合」による「市民による市民のための安心ネットワーク構想」とその実現に向けて「市民版地域福祉計画」づくりの提案が各地域協議会にあり、2016年には「地域福祉5カ年方針と計画」(2016年~2020年)による地域福祉推進の提起がある。各地域協議会が、「市民版地域福祉計画」作成に取り組む。(2018年杉並 2020年豊島 2021年中野 2022年練馬)

板橋区地域協議会では、2020年に学習会を行い、同年市民版地域福祉計画策定に向けて協議をすすめましたが、新型コロナウイルス感染症が蔓延したことにより集会などの制限があり、集まって話をする機会が設けられないという事態に陥ってしまいました。2023年になり、ようやく制限なしで集まることができるようになり、今年度策定するに至りました。板橋には、自分たちが必要と思って作ってきた場所、もの、機能があります。そのことを改めて認識し、さらに必要な機能を作っていきます。

  • 板橋区地域協議会運動グループメンバーの発足と業務内容
  • まち板橋 2000年発足 
    安心安全な材を共同購入。豊かな暮らしを目指して組合員が運営。

〈まち板橋結成まで〉
1965年 生活クラブ結成
1974年 板橋支部結成(板橋、赤塚、ときわ台、高島平、大山、北)
1988年 四葉支部、板橋支部、ときわ台支部、結成
2000年 まち板橋結成

  • 板橋・生活者ネットワーク 1994年年発足
    暮らしの中から生まれた声を区政に届けるための活動
    代理人を議会に送る活動
  • ワーカーズコレクティブ 手づくりやまめ 1984年発足
    発足時は板橋センター集計作業等からスタート。その後何か作って売る方向になり、
    センターの食事作りを行なった。
    1986年8月には店舗が完成し、生活クラブの消費材を使って作るクッキー・
    パウンドケーキなどの製造販売
  • NPO・ACT板橋たすけあいワーカーズあやとり 1996年発足
    歳をとっても障害があっても地域で自分らしく暮らし続けられるためのたすけあい
    (ACT自立援助サービス・介護保険(訪問介護・デイサービス)・子育て支援
  • 轍いたばし 1995年発足
    企業組合ワーカーズコレクティブ轍ケイアッシュ板橋事業所 2016年発足
    生活クラブからの個別配送業務受託
  • ワーカーズコレクティブGreen 2011年発足
    生活クラブからの店舗運営業務受託
  • NPO・ACTいたばし居宅介護支援事業所 2011年発足
    2018年に板橋事業所を閉鎖し、きた居宅介護支援事業所に統合
  • ワーカーズコレクティブえがお 2011年発足
    生活クラブ保育園ぽむ業務受託
  • 板橋・ワーカーズ・まちの縁がわ前野 2012年 発足
    まちのほっとスペース事業(カフェ・相談・ほっとサービス)
  • 策定に至るまでの経緯
    <2020年12月>
    「あったらいいね!こんな場所 あったらいいね!こんなこと」と題して地域協議会ニュースでアンケートを募集しました。

<2021年3月>
インクルーシブ事業連合会の平岡晴子さんを講師に市民版地域福祉計画の学習会を実施しました。
<2021年6月>
板橋センターでまちカフェを開催し、住みやすいまちづくりを目指して、どんな機能があったらいいか話し合いました。
<2022年6月>
住みやすいまちづくりを目指して、板橋区にある保育園や地域包括センターがどこにあるかを地図落とししました。
<2022年11月>
デポーカフェを再開し、月に1回第一土曜日に継続して開催しています。介護や子育ての相談、あったらいいなと思う機能などを、コーヒーを飲みながら聞き取っています。
<2023年9月>
「ゆめパのじかん」上映後、意見交換を行ないました。

  • 地域の課題と今後生み出したい機能

①子どもの居場所
【課題】
学校に行きづらい子どもたち(不登校児童)が行ける場所が不足している。小学生が放課後遊べる場所が不足している。
【生み出したい機能】
「ゆめパのじかん」に出てくるような常設の施設を作る。

②みんなの居場所
【課題】
住んでいる場所の近くに居場所がないと利用しづらい。
【生み出したい機能】
居場所を少しずつ増やしていく。居場所を作りたいリーダーを増やしていく。空き地、空き家、等を活用した居場所づくり。

③環境
【課題】
板橋区は、プラごみの分別を行なっていない。2050年までに二酸化炭素排出量実質ゼロをめざす「ゼロカーボンいたばし2050」を表明しているが、それまでにできること、今よりもCO2を削減できる方法はないか。
【生み出したい機能】
エコメッセのようなリサイクル、リユースショップの創出

④仕事
【課題】
障害を持った人や高齢者などで、健常者と同じような仕事はできないかもしれないが、繰り返し学習したりチャレンジしたりすることで、ある一定のスキルを身につけることができる人たちがいるが、働く場所がない。
【生み出したい機能】
障害を持った人たちが集まる居場所を活用して、作業場を提供するとともに、それを売りに出せるようなミニレンタルスペースの確保を目指す。

⑤人材育成
【課題】
何かをやりたいと思ったメンバー同士が集まって話し合ったり、知恵を出し合ったりするような場所の確保
【生み出したい機能】
板橋センターやデポー集会室を活用して、メンバーが集まって学習会をしたり、知識を増やしたりする。

  • これからの進め方
    「4.地域の課題と今後生み出したい機能」を実現させるために、板橋区地域協議会の中で検討し、主体者となるメンバーを模索し、ともに実行していきます。
    また、地域協議会ニュースを通じて組合員の意見を聞き、この市民版地域福祉計画を随時見直していくこととします。自分たちが進めていくこととともに、板橋区への政策提案も行います。
    ★板橋区市民版地域福祉計画図案

《板橋区市民版地域福祉計画初年度策定メンバー》
(まち板橋)澁谷マリア 須藤靖子
(板橋・生活者ネットワーク)横山れい子
(NPO・ACT板橋たすけあいワーカーズあやとり)守屋哲
(企業組合ワーカーズコレクティブ轍ケイアッシュ板橋事業所)宮田大輔
(ワーカーズコレクティブGreen)山村真理
(NPO・ACTきた居宅介護支援事業所)平井静江
(ワーカーズコレクティブえがお)小川明子
(板橋・ワーカーズ・まちの縁がわ前野)石塚芳恵
(子どもの居場所準備会)澁谷マリア
(担当理事)罇麻実
(担当センター長)小川敬太
(担当事務局)今澤てる子

  • 検討・改訂の記録
年月日検討・改訂箇所詳細
2024年3月7日第一次計画策定 
   
   
   
   
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