地域の取り組み紹介 葛飾

「葛飾区市民版地域福祉計画」

1.はじめに

生活クラブ運動グループ葛飾地域協議会(以下葛飾地域協議会と略す)は2020年度にかつしか生活クラブ運動グループ地域協議会から名称を変更し、3年以内に市民版地域福祉計画を策定することを目的に、あったらよい機能を抽出することを活動方針にしました。この方針のもと、住み慣れた地域で、高齢になっても、障がいをもっても、だれもが安心して暮らし続けるためにどんなしくみが必要なのか、葛飾地域協議会ではアンケート調査や学習会、まちカフェ開催、見学ツアーを行い、組合員からの要望や意見をまとめ、葛飾市民版地域福祉計画をつくりました。

葛飾地域協議会はまちづくりのための協議会です。構成団体は生活クラブまちかつしか、葛飾・生活者ネットワークの2団体です。消費材の共同購入だけでは解決できない生活の課題を解決するために連携、協力をしています。2021年に葛飾・生活者ネットワークは区議会にはじめて議員を送り出しました。

2.これまでの取り組み

<2020年>
一言提案・新型コロナウイルスの感染拡大防止策についてアンケート調査 
介護・農薬・国内自給に関心が多く集まりました。アンケートからの抽出した多胎児家庭支援の要望を「多胎児支援事業に関する請願」にし、生活クラブ運動グループ葛飾地域協議会から葛飾区議会に9月に提出しました。請願は審議未了・廃案となりましたが、葛飾区の予算に多胎児支援事業費が計上されました。

<2021年>
一言提案アンケート調査を行いました。
食の安全・環境・福祉・まちづくりなどに関心が多く集まりましたが、居場所(カフェ)・地域でのたすけあい、居場所・そこに行けば何でも一緒に考えてくれる人たちがいる場所といった居場所やたすけあいについても意見がありました。

<2022年>
香害アンケート調査を行い、結果をまとめ、ネットの議員を通じて区議会に要望しました。
インクルーシブ事業の出前講座(講師:平岡晴子さん)にて「市民版地域福祉計画」(オンライン)について学習会を持ちました。
市民版地域福祉計画策定のために一言提案アンケート調査を行いました。

「あったらいいな」の問いには
*気軽に利用できるギャラリー
*できれば展示物販売可能
*誰でも気軽に立ち寄れる
*居場所
*カフェ
*コミュニティカフェ
といった居場所に関する意見が多くありました。

<2023年>
一言提案アンケート調査を行いました。
地球温暖化・介護保険・国内自給率に関心が多く集まりました。 

<2024年>
まちカフェを2回開催し、意見交換を行いました。食などの関心ごとを話せる人が周りにいないので、こういった場所があって交流したいと参加した組合員もいました。

すぎなみ見学ツアーを開催し、市民版地域福祉計画づくり関連フォーラム開催助成を受けて“まちのほっとスペース”「なかまの家」、「デポーすぎなみ永福」「コワーキングスペース永福」を見学し、「なかまの家」では居場所として、スペースを利用してもらう「スペース事業」、 困りごとを気軽に相談できる「相談事業」、ランチの提供、居場所としての活動について聞き取りました。葛飾区職員出前講座では葛飾区の子育て支援や高齢者介護・障がい者福祉の現状や施策について学びました。

<2025年>
葛飾センターまつりで「『あったらいいな』を教えてください」調査(ポストイット)では楽しくおしゃべりできるカフェ、自然いっぱいのプレイパーク、子どもの居場所、市民農園、なんでも相談などたくさんの意見がでました。

3.私たちの「あったらいいな」をつくる

 地域には子どもから高齢者などあらゆる世代のさまざまな人たちが暮らし、安心して気軽に過ごせる居場所が求められています。日常生活の困りごとをどこに相談していいかわからない、一人暮らしでだれかに話を聴いてほしい、経済的困窮や孤立して問題を抱え過ごしている人たちが暮らしています。家族形態や社会構造が変わり、少子高齢化、人口減少、人手不足がすすむ中において、地域のつながりやたすけあい、支えあい、寄り添いといった新たな関係づくりをすすめていく必要があります。そのために葛飾地域協議会は世代を超えて交流することができ、ひとりでも気軽に立ち寄れる居場所づくりをすすめていきます。さらにその人が持っている『やりたい』という思いを発揮することができ、自分らしく過ごすことができる場所としても検討していきます。

4.今後について

 具体的に居場所づくりに向けた実施計画を検討します。

  1年目 仲間づくり
  2年目 場所探し、補助金について調査
  3年目 事業計画をつくる

以上