生活クラブ運動グループ・西東京地域協議会
1.私たちが描く地域の姿
(1)全ての人が誰かを支えていると思える地域
~全ての人が資源となる~
市民版地域福祉計画策定のための話し合いで出た「使える資源・人」のテーマをまとめてみると、赤ちゃんから高齢者まで全ての年代の人が挙げられていました。つまり、地域の中で一方的に「何かをしてもらう」という人はいないということです。生まれたての赤ちゃんの無垢な姿を見ること、その柔らかい肌に触れることで、無償の愛を感じたり、自分がどんなに大切に育てられてきたかを知り、高齢者との触れ合いの中から生活の知恵を教えられ、人がどのように老いていくのかを知ることが出来るというように、たとえ自ら動けない赤ちゃんや高齢者でもその存在自体が誰かに何か大切なことを伝えているのです。私たちが描く地域は、そこに住む全ての人がその最後の日まで役割があり、お互いが支え合っているという実感が持てる地域です。
「赤ちゃん抱っこさせて!」「向かいのおじいさん、退院して歩けるようになったわね」「ご飯食べていかない?」「お母さんが帰るまでうちで遊んでなさい」こんな会話はかつて家の前で、地域の中で、ごく自然に繰り広げられていました。今、そんな日常的な風景は家の中に閉じ込められ、見えなくなっています。
同じ地域に暮らす人々の存在を知り合い、ふれあうことができる「場」を意識的に作り出すことが必要です。
(2)資源としての地域協議会の力
~勇気をもって新たな可能性にチャレンジしていくステージ~
食育、子育てひろば、ケアラーズカフェ、認知症カフェ、健康カフェ、プラチナ世代の居場所作り、買い物カフェ、生活クラブ組合員のコミュニティづくりなど、地域協議会の各団体は、事業を行いながらまちづくりの新たな取り組みにチャレンジしています。これからの地域を描く時、これまでの取り組みで得たスキル、空間、情報、人や物を、柔らかな発想と勇気をもってさらに活用していくことが必要です。
また、その新しいチャレンジへの発想は、一つの団体で完結させるのではなく常に連携する視点で検討していきます。地域協議会はそんな発想を生み出す対話の場です。
2.地域に作り出す「場」
(1)居場所
今、取り組みを始めている認知症カフェ、ケアラーズカフェ、プラチナ企画を通した居場所などをさらに充実させるとともに、不登校の子ども、障がい者の居場所も作っていきます。さらに歩いて行けるエリアごとに、誰でもいつでも集う事が出来る居場所がある事をめざします。
まずは自分たちが持っている空間を活用して、出来るところから始めます。その他に公的な場所を使っての居場所作りを検討し、特に廃校後の泉小学校の利用に関しては運動をさらに進めていきます。空き家についての情報を集めます。
(2)一緒に晩御飯
子育て支援課へのヒアリングでは、子どもたちの学童時間後の過ごし方について「学童から帰宅したら、一人でもちゃんとお留守番が出来るように指導している。親もそれを望んでいる」との回答でしたが、実際にどのくらいの子どもたちが一人で夕飯を食べているのか、行政は掴んでいませんでした。
食に関わる事業所が多く、食べることの大切さや食卓が果たす役割の重要さを実感する私たちの話し合いは、子どもの食卓の風景を想像した時、「一緒に晩御飯食べようよ」という想いに集約されていきました。
子どもだけでなく、誰もが気軽に立ち寄れて近所のおばさん達と晩御飯が食べられる場所をつくります。
(3)障がい者の就労の場
西東京地域協議会に今は無い機能ですが、ゆくゆくは別組織の立ち上げをめざします。まずは各団体からの仕事をまとめて依頼するコーディネートを行います。
3.「場」に持たせる機能
作りだした「場」にはさまざまな人が集まります。その中から新たな機能が必要になってくることが考えられます。ニーズが出てきたら、それがたとえ一人だけのためにでも、動きをつくっていけることを私たちの強みとして、しなやかに大胆にチャレンジしていきます。
話し合いの中で予測した「場」に持たせたい機能は次の3つです。
(1)学習支援
理由は様々ですが、家が勉強する環境にない子どもたちが増えています。西東京市内にも「学び塾・猫の足あと」や「稲門会寺子屋西東京」のような無料の学習塾がありますが、私たちは私たちが出来る学習支援の形を探っていきます。みっちりカリキュラムに沿って学ぶのではなく、宿題を見てもらったり教科書のわからない所が聞ける場所、勉強しない子がいてもいい、居場所的な学習支援の場とします。
(2)買い物支援
外に出づらくなってきた高齢者にとって、地域の「居場所」に行って誰かと話をする事は大きな一歩です。さらにそこで出来た高齢者同士の関係性を活かしながら、みんなで買い物に出かけるしくみをつくります。
(3)相談機能
「居場所」では、集まる人同士の関係性が育っていく中で、お互いの悩みを聞き合いヒントをもらい合うことが出来ます。そんな中で地域協議会の専門性につなげられる事、行政につなげる事など「相談窓口」としての機能を果たします。
検討の経緯
・2014年4月22日:地域協議会終了後フリートーク開催
地域協議会会議メンバーと各団体からの参加、インクルーシブ事業連合
参加者の自己紹介の後、高齢者、子ども、地域の力、パスレル保谷を活かす、の4つの
テーマで問題提起をし、各テーマに分かれてフリートークを行う。
4月22日 | 2014年地域協議会終了後フリートーク開催 地域協議会会議メンバーと各団体からの参加、インクルーシブ事業連合 参加者の自己紹介の後、高齢者、子ども、地域の力、パスレル保谷を活かす、の4つの テーマで問題提起をし、各テーマに分かれてフリートークを行う。 |
5月27日 | 4月のフリートークを踏まえ、テーマグループごとに「必要な機能」「西東京市の現状」 「使える制度、資源情報」に整理して話し合いを行った。 |
6月24日~ | ヒアリングのための質問づくり ヒアリングの質問たたき台を元に意見交換を行った。福祉部会、各団体でも検討。 |
9月3日 | 要町あさやけ子ども食堂見学 |
10月20日 | 高齢者支援課ヒアリング |
12月8日 | 子育て支援課ヒアリング |
2月24日 | 2015年第2回フリートーク開催 地域協議会メンバーと各団体からの参加、インクルーシブ事業連合 西東京に今何が必要か?私たちがほしいものと、私たちが使える資源をポストイットで出し合った。 |